
………… 目次 ………………………………
【1】万博の意義
【2】1970年万博で成長したビジネス
【3】通期パス
お得に弱い大阪人の心を掴んだシナリオ
【4】クチコミシナリオの設計について
【5】スタンプラリーはリピートの定番
【6】まとめ+グルメ追稿
……………………………………………………
●万博は単なるイベントではなく
国家や都市が「未来にどう向き合うか」を世界に示す舞台。
「国家および都市ブランディング」の意味もある。
1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)の功労者でありベストセラー作家・堺屋太一さんは
万博を開催する本当の意義を、こう語ったそうです。
「これは現在(いま)を理解して、未来を見通す機会・チャンスなんだ」
万博は「面白い」「面白くない」というテーマパーク的な視点ではなく、
ここから「現在」「未来」を見通せるものがたくさんある
.
1970年の日本万博博覧会がキッカケで、発展したビジネスをいくつか挙げると
● 外食産業の成長
● ファミリーレストランやファストフード:新しいタイプの飲食店が急速に成長
● 大阪万博を契機に、冷凍食品の技術が向上。外食産業だけでなく一般家庭にも普及。
● 万博会場での展示をキッカケに、ワイヤレステレホン、エアドーム、回転寿司、缶コーヒーなどが普及。
● 万博の制服デザイン:コシノジュンコ、森英恵、芦田淳など著名なデザイナーが担当し、ファッション界に大きな影響を与えた。
● 大阪万博をキッカケに認知が広がった「Xスタンパー(シャチハタ)」⇒後述
.
その他、この日本万博博覧会の展示・イベントをヒントにたくさんのビジネスやヒット商品が生まれたそうです。
気になる方は調べてみると面白いかもしれません。いま当たり前にある◯◯が、70年万博をキッカケに出来たり普及したものだったりするかもしれません。
https://j-net21.smrj.go.jp/special/expo1970/index.html
万博の経済効果:約4兆9,509億円と試算
高速道路の開通や関西のインフラ整備など、経済成長と社会インフラの整備に貢献
.
堺屋太一さんは、今回の大阪・関西万博に際し
今回のEXPO2025の象徴である「大屋根リング」について
日本の木造建築の粋を集めたもので「日本の力」
そこから数百ヵ国の世界が見える
だから、そこから ぜひ世界を見て欲しい
そういう観点で見ると大屋根リングの内側と外側の世界
海へ踏み込んだ路…
大手ゼネコン三社の施工技術…
見過ごしがちな「凝縮された想い・技術・可能性」が、あちらこちらに凝縮されている。
万博会場では
ビジネスマッチングも多く行われているようで
世界の首脳が大阪に来て、東京にも立ち寄り
首脳会談や外相会談も行われ、各国企業もビジネス目的で訪れているとのこと。
実際、万博開場に足を運んでみると「世界の首脳陣・関係者」のような方々がたくさん歩いておられます。ビジネスが動いている空気感は感じますね。
また、弊社の知人の会社も9月に出展したりと、日本だけでなく世界へのPRの機会ができる場場所…少なくとも自分たちの周囲には意義ある大阪・関西万博だなぁ…と感じています。
個人であっても「パフォーマンスを意識した格好」で会場内を歩いているだけで、別のフィールドが開ける…なんてことも可能性があるかもしれませんね
.
実は、私自身
大阪・関西万博のリピーターでして…
今回の万博開場に8回…行っておりまして、
●終日入場は1回のみで
●夕方からの入場
●体験したいイベント+αのみで帰る
●まだ万博に行ったことない方と一緒に…アテンド(万博接待?)
など
いつでも入場できる(事前予約は必要)通期パスを購入して
「自分なりの楽しみ方」を堪能中♪
さて、今回は
クチコミ・リピート集客(+値上げ)の専門家である私の視点で
大阪・関西万博がリピート来場・クチコミされる要素について、わかりやすく綴ります。
.
●お得に弱い大阪人(関西人)の心を掴んだ巧みなシナリオ
まず、
大阪・関西万博は
入場料…料金体系が上手いなぁ…と感じました。

開催初日は、4/13。
「まずは、お試しで行ってみよう」と、6,000円で平日券(7,500円 1日券)を購入。
早期来場特典として、5月末日まで 割引価格で「通期パス」が買えるというシナリオ。
( 通期パス 30,000円が 24,000円で購入できる特典 ) ⇒後述

私自身も
商工会議所の大阪・関西万博の視察ツアーで初万博(GW明け)
ご一緒した方から、
ねぇ知ってる?
1回 万博行った人は
5月末日までに
「通期パス」を申し込むと、
今回入場分がチャラになって
30000円が 24000円で
お得に買えるらしいよ♪
お得が大好きな大阪人(関西人?)
もう見事に
“クチコミシナリオ”が
出来上がっておりました ^_^
.
.
実際、万博会場に行ってみるとわかるのですが
「1日では周れない・堪能できない」と痛感します。
1回目来場の経験を基に「次はココに行きたい」「次はこんな感じで廻ろう」など、2回目以降の楽しみ方を大阪・関西万博はイメージする方も少なくないはずです。
(もちろん、一回で充分堪能・満足される方もいらっしゃるでしょうが)
だったら「今のうちに、お得な通期パスを買っておこう」「あと何回か行って、もう少し楽しもう」となり、「次は いつ行こう?」となるワケです。
(単純計算で平日4回行くと、モトは採れる…という計算に♪)
そんな早割制度もあり
「通期パス、買ったよ」と、少し優越感もありつつ
お話(クチコミ)くださる方、SNSに投稿される方が…私の周囲にも少なくありませんでした。
さらに「通期パス」に加え、「夏パス」も発売!
夏休みの期間限定で「いつでも行ける入場券」も販売されています。
周囲では「通期パス」に合わせて「夏パス」を追加で購入されている人もいます。
これは「通期パス」だと、3日分のパビリオン・イベント抽選の権利があるのですが
「夏パス」購入で、プラス2日分のパビリオン・イベント抽選の権利を持つことになり、
合計5日分の抽選権利となります。つまり行きたいパビリオン・イベントに当選しやすくなる…ということになります。
↑ ↑ ↑
(このシステムは行ったことない方には伝わりづらいかもしれませんが)
【万博運営側から見た通期パス・夏パス】▶売上確保というメリットと売上先食いというデメリットはあるのですが、通期パス購入者10%〜20%は来場しない可能性が高いので採算性は悪くないはず。
例えるなら、プリペイドカードを買っても、使い切れない人が意外と多いイメージです。
.
●クチコミシナリオの計画・設計について
さて
クチコミ・リピートの専門家の視点で
主催運営が下記のような会話をイメージして
このクチコミ・リピートシナリオを整えたのなら、拍手を贈りたいですね。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
「もう大阪万博に行った?」という会話から
「先週1回万博行ったよ。通期パス、もう買ったわ。
だって、5月末までに申し込む割引制度あったから。」
「え何それ?どうゆうこと?」
↑ ↑ ↑ ↑ ↑
この会話の中には、鮮度の高いニュース・優越感・お得な情報・体験談と感想…と様々な要素が盛り込まれているのですが…ぜひ分析してみてくださいね。
この夏の関西人同士の会話は
「暑いなぁ」
「阪神強いなぁ」
「万博行った?」ですので、
ほぼ上記の会話シナリオになるかと。
.
─────────────────────
▼ あなたのビジネスに具体的活用するなら(案)
─────────────────────
わかりやすいのは「早割」ですね。
飲食店の宴会や飲み会の早期予約は特典アリ
おせち料理などの優先予約早割
工務店・畳店の閑散期を考慮した早割や期間特定工事割引
1回のみよりも「お得な◯◯パッケージプラン」
↑ ↑ ↑ ↑ ↑
これらの商品・サービス+クチコミシナリオ設計・PRを
……………………………………
●「車いす・ベビーカー優先」で来場数は増加?
大阪・関西万博の会場内を廻っていると「車いす」「ベビーカー」をよく目にします。
会場内では「車いす」「ベビーカー」は優先されており、パビリオンの入館待ちの長蛇の列であっても、「車いす」「ベビーカー」優先レーンがあることが多い。
パビリオン予約も「車いす枠」があり、予約がとりやすいメリットも。
普段なら「車椅子だから…」「ベビーカーは大変だし、周囲に迷惑を掛けるから…」と外出を控えがちな方たち・家族を「優先されるなら、みんなで万博に行ってみよう」となりますね。
また、車いすコミュニティやママさんコミュニティのつながりは広くて深いことが多いので、自然発生的にクチコミされてゆくことが想像できます。
◯普段は動かない層へのPR・アプローチ
◯コミュニティが密な層へのPR・アプローチ
「誰でも楽しめる」を軸に
これらを運営側が意識していたなら、素晴らしいですね。
.
●スタンプラリーはリピート設計の定番
各パビリオンやイベント会場内に200ヵ所以上「スタンプ」を設置。
1つスタンプ捺すと「もっと集めたくなる…コレクション意識が芽生えるのが、人の性(さが)」
目に見えてスタンプが増えてゆく様子は、脳内を快楽で満たしてゆきます。
スタンプブックを手に入れると「空いたスペースを埋め、全てコンプリしたくなる本能・衝動+ゲーム感覚」。
寺社仏閣の「御朱印」にも近いシンプルな施策ですが、効果はとても高いです。
「男性脳」は 収集癖や所有欲、「女性脳」では 安心感や自己肯定感を満たす…という個人的経験則。
─────────────────────
脳科学視点で「スタンプ(ラリー)」を解析すると
─────────────────────
▼ 達成感とドーパミン
スタンプを集める、特定のスタンプを集めるなど、目標達成によって得られる達成感は、ドーパミン(脳内物質の分泌)を促します。ドーパミンは快楽や意欲に関わる物質で、達成感を感じることで分泌され、さらなる行動を促す効果があります。
▼ 喜びとセロトニン
スタンプを集める過程で「楽しい」と感じたり、好きなスタンプを手に入れた時の「喜び」は、セロトニンという脳内物質の分泌を促す可能性があります。セロトニンは精神安定や幸福感に関わる物質で、ポジティブな感情を増幅させる効果があります。
▼ ストレス軽減とオキシトシン
スタンプを集める行為が、趣味や癒やしになっている場合、ストレス軽減効果が期待できます。オキシトシンという脳内物質は、リラックス効果や愛情、絆を深める効果があり、ストレスを抱えている時に分泌されることがあります。
マーケティング的視点での「スタンプ(ラリー)」を解析すると
収集欲の刺激:集めることで得られる達成感と喜び
明確な目的意識:ゴールがはっきりしているから行動しやすい
シンプルな選択:迷わずに集中できる心地よさ
─────────────────────
▼ あなたのビジネスに具体的活用するなら(案)
─────────────────────
月ごとにスタンプやシールを配布、3つ揃った時点で特典進呈
地域の事業主たちと共同でスタンプラリーを開催(地域活性化・地域振興のキッカケに)
⇒単なるスタンプラリーでは企画力が低いため、重ねスタンプやスタンプ絵巻、SNSとの連動シナリオが必要
.
もっとリピート・クチコミは増やせる!
リピートとクチコミが伸び悩む原因考察
(1)来場チケットが難しそう…躊躇している
《解決策》上記を解決するには…
期間限定「はじめてご来場!Welcome」キャンペーン(案)
入場チケット申し込みが慣れるまで時間がかかることもあるので
⇒ 一度以上の来場経験者と同行入場キャンペーン(案)+特典・メリットなど
こっちでまとめてチケット手続きやりまっせ!バスツアー(案)
(2)大阪・関西万博自体に賛成していない
《解決策》は難しいですが、周囲からの
閉幕1ヵ月前までには採算ペイして広報⇒認知
万博に対するイメージを少しだけ変えてもらう
.
●まとめ
まだまだ書ききれていないので、「グルメ」などについても引き続き追稿していきますね。
グルメはSNSと相性の良い=クチコミ設計がしやすい要素ですからね。


